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循環器内科

循環器病の疫学について

循環器病(心疾患・脳血管疾患)は、日本ではがんに次ぐ主要な死因であり、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が大きく関与します。特に高齢化が進む日本において、循環器病の予防と適切な管理が重要視されています。

循環器病の現状(日本の統計データ)

  • 心疾患(心不全・狭心症・心筋梗塞)は死因第2位(約15%)
  • 脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)は死因第3位(約12%)
  • 高血圧の有病率: 約4,300万人(成人の約2人に1人が高血圧)
  • 心不全患者数: 約130万人
  • 生活習慣病との関係: 糖尿病や脂質異常症が循環器病リスクを大幅に上昇

循環器病は突然の発症(心筋梗塞や脳卒中)が多く、発症後の生活の質(QOL)を大きく低下させる可能性があります。そのため、早期発見と予防が重要です。

循環器病の症状・治療法

胸の症状

  • 胸痛(締め付けるような痛み、圧迫感)
    • 狭心症や心筋梗塞の可能性
  • 胸の違和感や動悸
    • 不整脈、心不全の可能性
  • 胸が重苦しい、圧迫される感じ
    • 心臓の病気(狭心症、心筋梗塞など)の可能性

呼吸に関する症状

  • 息切れ
    • 心不全や肺高血圧症の可能性
  • 呼吸困難
    • 急性心不全、心筋梗塞、大動脈解離などの可能性
  • 横になると息が苦しい
    • 左心不全(心不全の一種)の可能性

動悸・脈の異常

  • 脈が速い、遅い、不規則
    • 不整脈(心房細動、期外収縮、徐脈性不整脈など)の可能性
  • 突然のめまい、ふらつき
    • 徐脈性不整脈、立ちくらみ(起立性低血圧)、心原性失神の可能性
  • 失神(意識を失う)
    • 重度の不整脈、心原性失神の可能性

足や手の症状

  • むくみ(浮腫)
    • 心不全や静脈の異常(深部静脈血栓症など)の可能性
  • 冷感・しびれ・皮膚の色の変化
    • 末梢動脈疾患(PAD)、血流障害の可能性

血圧の異常

  • 高血圧(頭痛、めまい、耳鳴り)
    • 動脈硬化、心不全、脳卒中のリスク
  • 低血圧(めまい、意識消失)
    • 起立性低血圧、心不全の可能性

その他の症状

  • 夜間頻尿
    • 心不全の可能性
  • 倦怠感、疲れやすい
    • 心不全や貧血の可能性

薬物療法

循環器疾患の多くは、薬で症状を管理しながら進行を抑えます。

① 高血圧治療
  • 降圧薬(血圧を下げる薬)
    • カルシウム拮抗薬(アムロジピン、ニフェジピンなど)
    • ARB(オルメサルタン、アジルサルタンなど)
    • β遮断薬(ビソプロロールなど)
    • 利尿薬(フロセミド、スピロノラクトンなど)
    • ARNI:Na+利用ペプチド(サクビトリル/バルサルタン)
② 狭心症・心筋梗塞
  • 抗血小板薬(血液をサラサラにする)
    • アスピリン、クロピドグレル
  • 硝酸薬(血管を広げる)
    • ニトログリセリン
  • β遮断薬(心臓の負担を軽減)
    • カルベジロール、ビソプロロール
  • スタチン(コレステロールを下げる)
    • アトルバスタチン、ロスバスタチン
③ 不整脈
  • 抗不整脈薬
    • Naチャネル遮断薬(リドカイン、プロカインアミド)
    • Kチャネル遮断薬(アミオダロン)
    • β遮断薬、Ca拮抗薬(心拍数のコントロール)
④ 心不全
  • 利尿薬、β遮断薬、ARNI、MRA(利尿剤)の4種での治療が有効です。

循環器病のリスク要因

循環器病の発症には、以下のリスク要因が大きく関与しています。

1. 生活習慣要因

  • 高塩分・高脂肪食の摂取
  • 運動不足
  • 喫煙・過度の飲酒
  • 肥満(BMI 25以上)

2. 医学的要因

  • 高血圧(収縮期血圧140mmHg以上)
  • 脂質異常症(LDLコレステロール140mg/dL以上)
  • 糖尿病(HbA1c 6.5%以上)
  • 慢性腎臓病(eGFR60未満)

3. 遺伝的要因

  • 家族に心疾患や脳血管疾患の既往歴がある

これらのリスク因子が重なることで、心血管イベントの発生率が大幅に上昇します。

循環器病の予防と対策

循環器病の予防には、生活習慣の改善と定期的な健康チェックが重要です。当クリニックでは、患者様の健康維持のため以下の予防対策を推奨し、定期的な健康診断を行っております

1.生活習慣の見直し

  • 塩分摂取量の制限(1日6g未満推奨)
  • 適度な運動(30分以上のウォーキングなどの有酸素運動)
  • 禁煙・節酒

2.適切な薬物療法(必要に応じて)

  • 高血圧治療薬(降圧薬)
  • 脂質異常症治療薬(スタチンなど)
  • 抗血栓薬(心筋梗塞・脳梗塞予防)

当クリニックの循環器病予防プログラム

当クリニックでは、循環器病の予防と早期発見のために、以下のプログラムを提供しています。

  • 動脈硬化リスク評価(血液検査:NT-pro BNP、心臓・頸動脈エコー検査、ABI)
  • 生活習慣改善プログラム(医師による食事指導・運動療法)
  • 高血圧・脂質異常症の心臓血管外科専門医・循環器医専門外来

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