肛門外科
肛門疾患の疫学について
肛門疾患は、日本において非常に一般的で、特に成人の3人に1人が何らかの肛門のトラブルを経験しているといわれています
主な肛門疾患の統計(日本国内)
- 痔疾患の有病率: 成人の約40%が経験(特に40~60代の男女に多い)
- 痔核(いぼ痔)が最も多く、全体の約50%を占める
- 裂肛(切れ痔)の頻度: 若年女性に多く、便秘やストレスが関与
- 痔瘻(じろう)の頻度: 男性に多く、特に40代以上の割合が高い
- 肛門周囲膿瘍の発生率: 肛門疾患の中でも10~20%程度
発症リスク要因
肛門疾患の発症には以下の要因が深く関係しています。
1. 生活習慣の乱れ
- 長時間の座り仕事(デスクワーク、運転手)
- 食物繊維不足や水分不足による便秘
- 過度のアルコール摂取や香辛料の多い食事
2. 排便習慣の問題
- 排便時の強いいきみ(慢性便秘・下痢)
- トイレでの長時間滞在(スマホ使用など)
3. 加齢・妊娠
- 加齢による筋力低下で痔の発生リスクが増加
- 妊娠・出産による肛門への負担増
予防のポイント
1. 食生活の改善
- 食物繊維を豊富に摂取し、水分を十分に補給する
- アルコール・刺激物の摂取を控える
2. 適度な運動
- 長時間の座位を避け、こまめにストレッチを行う
3. 排便習慣の見直し
- 毎日決まった時間にトイレへ行く習慣をつける
- 便意を我慢しない
当クリニックでは、患者様のデリケートなお悩みに寄り添い、肛門外科診療を提供しております。痔疾患をはじめ、肛門周囲膿瘍や裂肛、肛門周囲の違和感・痛みなど、さまざまな症状に対応しております。
診療内容
- 痔核(いぼ痔):内外痔核の診断治療を行い、保存療法から手術適応の診断を行います。
- 裂肛(切れ痔):排便時の痛みや出血に対し、適切な治療を提供します
- 痔瘻(あな痔):早期発見・治療により、再発防止を目指します
- 肛門周囲膿瘍:炎症や腫れを迅速に診断し、適切な処置を実施します
- 便秘や排便障害の相談:生活習慣の改善指導や内服治療を行います。
診療の流れ
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初診・問診
症状の詳細をお伺いし、診察を行います -
診断・検査
必要に応じて肛門鏡検査を実施します -
治療方針の決定
保存療法や外科的治療など、最適な治療方法をご提案 -
アフターケア
治療後のフォローアップも丁寧に行います